こんにちは!
3月だというのにまだまだ雪が降るニセコさんでございます。
昨日(3月17日)なんかは山(ニセコモイワスキーリゾート)は吹雪でして、しかも降ってる雪も冬のそれでして、天気予報で言っていた「今年は春が早いかもしれません」というアナウンスはもはや霞んでしまっております。
ま、我々滑り手にとっては春は遅い方がありがたいのですが、それでも、ポカポカ陽気の中で滑るスキーも楽しいので、ま、季節なりに緩やかに春が来てくれると嬉しいですね。
さて、そんな「まだまだスキーは余裕で楽しめますよ」という状況でございますので、この機会に日本が誇る老舗スキーメーカーの「オガサカスキー」様より届いた25-26モデルの試乗レポートを書いてみたいと思います。
ニセコようていスキースクールでは、25-26モデルの「TC-S」と「KS-UP」(それぞれ165㎝)のテストスキーをお試しいただけますので、レッスンへご入校のお客様で試乗してみたいというお客様はご遠慮なくお気軽にお申し付けください。(お申込みフォームにあります「ニューモデルを試乗したい」の欄にチェックをいれてご予約ください。)
ということで、今回テストしましたスキーはこちら!

技術選にて大活躍のオガサカデモチームの足元を支える「TCシリーズ」より、小回りに特化したモデル「TC-S」でございます。
まずはテストスキーのプロフィールから。
長さは165㎝で、スリーサイズは上から「116-65-102」と、現行モデルの「TC-S」と比べて(現行モデルは上から119-67-103)トップからテールまでが全て「細身」となっております。
ま、そうはいってもトップは「116」もありますので十分に「広い」のですけどね。
プレートはFMプレート(柔らかめのプレート)にチロリアのフリーフレックス14のレンタル仕様がセッティングされております。
この日の雪質は前日の春の陽気で溶けた雪が朝方の冷気で固まり、それをピステンで整備した上に朝方に降った少し重めの雪が乗る、多少のコロコロはあるものの足元のある比較的グリップしやすい雪質でございました。
さて、高ぶる気持ちを抑えつつ早速スキーズオン!

TC-Sを象徴する濃い目のオレンジにブラックのシャドウが施された、力強さを感じるカラーリングとなっております。
僕はもう今年で技術選への挑戦はやめますが(マスターズの技術選には挑戦します)、大会で使うマテリアルは100%信頼している自分の「最大の味方」ですので、こうした力強いカラーリングは大げさではなくそれだけで安心感を得られるものでございます。
なのでやはりこうしたコンペティションモデルは、このようなどっしり感や強さを感じさせるカラーリングの方が良いですね。頼もしい。
スキーを履いた第一印象は「どっしり」という印象が一番強かったです。
これはややもすると「重い」という印象になりがちですがそのような重くて扱いにくいという意味の「重さ」ではなく、「安定感」という意味での「どっしり感」でございます。
ま、テストスキーに装着されている金具がソールサイズを変更できるレンタルビンディング仕様のものでして、それには真ん中にソールサイズに合わせて幅を変えられるようにレールがが付いておりますので、その分の硬さの感覚も加わりますから、それが足元のどっしり感に繋がっているのかもしれません。
なので完全なセパレートタイプのビンディングで試してみたいというのが本音ですが、まぁそれは仕方のない部分ですからね。
さて、まずは恒例の「ズラシ」から入っていきます。
このスキーはいわゆる「戦闘マシーン」ですから、ラーメンの山岡家的に言うと「硬め・強め」が基本スペックですので「低速での操作性」というのはあまり考慮していないと思ったのですよ。
が、これが驚き。
まずは緩斜面でのプルークボーゲンから滑ったのですが、低速でもかなり綺麗にずらせますし、変にトップが食って思わぬところでターンに入ってしまうという部分が全くありませんでした。
次に斜度を上げて低~中速のシュテムターンで滑ってみます。
この時に、正直にいうと「ん?」という感覚がありました。
この「ん?」の正体ですが、現行モデルのTC-Sと比べてトップが「狭い」ということもあるのでしょう、また、このスキーのテストの前に「KS-UP」のテストをした後でその感覚が残っているということも影響したと思うのですが、トップがなかなか「内に入ってこない」という印象となったんです。
これは後の「スピードを上げたショートターン」や「高速域のミドルレンジでのターン」で滑った時にはこの違和感は一気に解消されることとなり、「このスキーいいじゃん!」という印象に変わるのですが、この「低~中速域」で滑った時のトップの反応は薄く、この時は「あら?曲がらない?」という印象となりました。
これはひとえに現行モデルから「トーションを硬くした」ということがその反応の主因だと思うのですが、なるほど、メーカーの説明によりますと、ソフトフレックス・ハードトーションに仕上げたということでしたので、最初にずらしたときにずらしやすかった理由がわかりました。
低速域だと然程トップの反応は気になりませんが、中速域になると(しかも斜度が上がると)重心移動の量もエッジングしていく際の荷重の量も増えますから、それだけトップが反応してそれに頼る局面が増えるということで、この辺りからトップ部のネジレやフックス(たわみ)などが気になりだしてきます。

ということで、次はこのスキーが本領を発揮してくれるであろう高速域・急斜面で滑ってみます。
まずはもちろん小回りから。
お!
先ほどの印象と違ってトップはしっかりと回ってくるじゃん!
いいねいいね。
お、やば。
少し身体遅れた。
あら!
前半でトップで押さえられなかったら(当たり前だけど)トップが入ってこない。
KS-UPはこの辺りスキーがカバーしてくれたけど、さすが戦闘マシーン、切り替えで身体が遅れるとスキーは縦目に走ってしまうな。
でも逆に言いますと、きっちりを運動できて前半からトップを使うことができますと、おどろくほどターンは作りやすくなりますから、この点からやはりこのスキーは「乗りてを選ぶ」といっていいと思います。
次に高速域のミドルターンで滑ってみます。
もうね、これは最高でしたね。
スキーがオートマチックに回って、後半には綺麗に走りながら抜けていってくれる。
足元の安定感は流石だし、変な挙動もないし、トーションの硬さは「粘り強く雪面を捉える」というポジティブに変わっていくしで、ミドルレンジや深めのショート辺りのターンサイズであれば、回るし走るし安定するしで、実に気持ちよく滑ることができました。
まとめます。
25-26モデルのTC-Sは純戦闘マシーンでした。
よって乗り手のレベルは確実に問われます。
具体的には、ターンの入り口で確実にスキートップで雪面を捉えていける技術があるレベルで、かつ、後半にポジションを崩さないままエッジングの要素(荷重・角付け・回旋)を行えるレベルが必須だと判断しました。
そして体重もしっかりある方の方がいいでしょう。
筋力的には然程必要を感じませんでしたが、それでも、力強く動ける身体の方がこのスキーの性能は引き出しやすいかもしれません。
個人的には1級取得レベルではまだ足りないかなと。
既にテクニカルを保持していて、これからクラウンや技術選の地方予選を目指していくレベルが必要かと思いました。
なので乗り手は選びますが、この辺りにいるスキーヤーにとっては間違いなく「武器」になるでしょうから、我こそはと思う滑り手はぜひこのTC-Sを味方につけるべく手に取っていただければ嬉しいです。
余談ですが、このTC-Sが少しスペックオーバーだと感じる時には、「TC-S light」というシリーズがありますので、「TC-Sの性能は味わいたい。だけれども硬め・強めは避けたい」というお客様は「TC-light」をご検討いただければと思います。
まさに「戦うスキー」として世に送り出された25-26モデルのTC-S。
「手ごわさは未熟の証」と思って、さらなる上達をめざしていくその相棒としてお選びいただければと思います。