【オールマイティーな性格は健在】小回りに寄った設計もハイスピードでもしっかりターン。ケオッズ「KS-AP」試乗レポート

こんにちは!

またまた久しぶりとなります。

4月に入ってからは比較的のんびりな日々が多く、もちろん、ご予約いただいておりますレッスンのために定期的にスキーに行って錆びないようにしておりますが、基本は出来るだけ早く用事を済ませて息子と遊ぶ日々でございます。

先週は春コブスペシャルに多くのお客様がお越しくださり、新たなご縁もいただけるなど非常に充実した週末となりました。

また、コブの特訓をしたい!というお客様が、続く月曜・火曜とプライベートレッスンにご入校くださり(なんと広島から!)、これまた春の重い雪の中を1日5時間もコブの中を滑りまくるという練習で(あ、すべてがこんなにハードではありませんので。お客様のご希望によりハードに滑り込みましたが、のんびり練習したいというお客様でしたら、もちろんマイルドにゆったりと練習もできますのでご安心くださいね。)、なんと初日はいわゆる「ズルドン」だったのが、最終日にはコブを「縦」に滑れるまでになりました。

やっぱり「努力」ってのは成果に繋がりやすいんですね(*^^*)

さて、前置きが長くなってしまいましたが、本日は前回の「TC-S」の紹介に引き続き、来季もオガサカが一押ししているスキー「ケオッズKS-AP」の試乗レポートを書いてみたいと思います。


まずはデザインから見ていきましょう。

少しマットな印象のブラックにグレーのストライプが施されたなんとも大人チックな渋いデザインでございます。

単純にかっこいい。

このようなデザインは「飽きがこない」ので、比較的長いシーズンを使えるのはありがたいですね。

試乗したのは165㎝でプレートは無し。チロリアのPRD12が付いたモデルとなります。(金具のプレートは付いております)

プロフィールは上から「119.0-67.0-103.0」でRは13.0と、なんとなんと、先日ご紹介させていただきました「TC-S」のプロフィールと全く同じで、RもKS-APが「13.0」に対してTC-Sが「12.9」と僅か0.1しか変わらないプロフィールなんです。

これからも、このKS-APが「小回り寄り」の設計であることがわかるかと思います。

ご覧のように、KS-APもトップの形状がショベル形状となっておりまして、TC-S同様に、従来もモデルよりもより早いタイミングでの雪面の捉えが可能になっております。

では「TC-S」とどのように違うのか。

早速滑ってみましょう。

ドキドキしながらスキーズオン!

履いた感じは「しっかり」という印象でした。

重量感はTC-Sよりは感じました。カタログデータでは逆なんですけどね(TC-Sの方が若干思い)。金具のせいかな?

ともあれ、安定感を感じる「ずっしり」という印象でした。

まずは低速から。

プルークスタンスでのズラシが多いターンや、シュテム動作での滑らかさを求めるターンなど、低速域での操作感は「さすが」という印象です。

扱い易いのは言わずもがなですが、唯一僕が気になったのは「テール部分の張り感」でしょうか。

ま、この前に「TC-S」をテストしており、そのTC-Sのあまりの操作感の軽やかさと綺麗にしなってくれるテールの感覚が残っていたということもあるのですが、僕の好みよりは若干ですがテールの張り感が強いように感じました。

でもこれは裏を返せば「落差を取ってターンを作っていきたい」という好みの方には最適な性格ですので、僕のように「ターン後半に切れ上がってくれる感覚が好きな人」には「硬く」感じてしまうのかもしれません。

なのでこの辺の感覚は「好み」ですね。

あ、誤解なきように書いておきますが、テールの張り感が強く感じるからと言って「ターンが切りあがらない」とか「横スペースへ移動するような深回りが難しい」ということではなく、あくまでも「TC-Sよりは」というだけの話で、しかも僕が感じた印象はこうでしたというだけの話ですので、深く、シャープなターンを描けることには間違いありませんのでその点はご安心ください。

トップの捉えはもう秀逸ですね。

TC-S同様に、多少、身体を運ぶ方向を間違えたり量が足りなかったとしても、スキーがしっかりとターンの導入をサポートしてくれるので思い切って新しいターンに入っていけます。

ただ、TC-Sに比べてスイングウエイトは若干重めという印象でしたので、「今年は小回りを徹底的に練習するんだ!」という方はTC-Sの方がよいと思います。

そして特筆すべきはそのカービング性能の「切れ味」といいますか、重く、えぐる様に雪面に切り込んでいってくれるたわみとネジレのバランスの良さでしょうね。

ミドル~ハイスピードのレンジの中では、この感覚はTC-Sにはない感覚でしたね。

もちろんTC-Sもバシバシに切れていきますが、どちらかというと「シャッ!!」というような鋭い印象であるのに対して、このKS-APは「ゴォーーー!!」というような轟音を響かせて雪面を彫り込んでいくような重く切り裂くような印象でした。

上に書きました「テールの張り感」は、実は「オールラウンド」のモデルには必須だと思っておりまして、TC-Sのように小回りに特化したモデルであれば「小回りのスピードのレンジでスキーの性能が発揮できるように」という設計ですからこのKS-APのようにテールに張り感を持たせてしまうと「小回りでターンが仕上がってくれない」ということに繋がりやすくなりますが、しかし、オールラウンドモデルであれば「小回りに寄ったプルフィールだけれども、ミドルからロングレンジまでその視野にいれなければならない」という命題を背負いますので、トップ部分で回って来てくれる要素を出したのであれば、スキーの後ろでは落差を取っていける設定にしておかないと「小回りモデルと変わらない」ということになり、別にモデルを出す意味がなくなってしまいますからね。

なのでこのKS-APの「テールの張り感」はオールラウンドモデルにとって必須なわけでして、これがゆえに、「小回り寄りの設計でも幅広いスピードのレンジで性能が出る」という仕上がりとなっております。

まとめますね。

ケオッズKS-APは「例年通り」に、非常に扱いやすく、どのようなスピードの領域でもかなりのハイレベルでスキーが仕事をしてくれます。

プロフィールは小回り専用モデルの「TC-S」とほぼ同じですが、スイングウエイトやテールの硬さを調節してオールラウンドな状況で性能を発揮できるように作られております。

なので、やはり指導者検定に挑戦される方やスキー教師の皆様にはKS-APがぴったりかと思います。

相当安定しておりますし、なによりもずらそうとしたときにきちんとずれてくれる性能は非常に心地よいです。

テク・クラにももちろん使えますが、その領域に行くと、個人的にはTC-SにFLやSRのプレートを載せたモデルの方が扱いやすいと思います。

特にクラウンなどのハイレベルを目指す方でしたら、荷重量や角付け角のタイミングや量などの調整はある程度できると思いますので、それができたらTC-Sでも十分にロングレンジもカバーできますので。(当然ながらTC-Lと同様の落差やターンスピードとはなりませんが)

こんなところでしょうか。

かなり広い範囲のスピードで性能を発揮できるしっかりとした性格ながらも、低速域でも素直に言うことを聞いてくれるKS-AP。

オガサカの真骨頂である「扱いやすさ」は今年も失われず、様々な工夫でオールラウンドモデルに仕上がったKS-APをぜひ一度体感してみてください。

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